2025.01.20
「おやつ選び」
かがやきでは、年に3回、療養棟をあげてのイベントを行っています。その、イベントのお楽しみの一つが、季節を楽しむ特別な『おやつ』です。
いつもの食事のデザートではなくて、特別なお菓子。入所者様が、今度は何かな~とワクワクできるようにスタッフのみんなで時間をかけて選んでいます。
おやつ選びは、まず、イベント委員会で話し合います。七夕会の時は『涼を感じられるもの』、敬老会では『和風のお菓子』、
クリスマス会では『洋風のお菓子』を選んでいます。 最近は、のどに詰まらないお菓子が多くなってきましたが、
情報を多く集めながら食べやすさや年齢などにも配慮するように、より吟味を重ねています。
その後、実物を取り寄せて、ST(言語聴覚士)と一緒に試食します。STは、飲み込みに関してのプロ!
これはどうかな?と提案したおやつが本当に飲み込みやすいか、診査してくれるのです。実際に取り寄せてみると、
お菓子の下にパサつく物が敷き詰められていたり、かわいい飾りが実は噛みにくいものだったり、思ったほど柔らかくなかったり、いろんな点に気づきます。
大事なことは、誤嚥(誤って飲み込む)しないよう、安全に食べられるものかどうかの確認です。当施設の入所者様は、噛む力や、飲み込む力が弱い方が多く、とても注意が必要なのです。
同じ『あんこ』のお菓子でも、『つぶあん』と『こしあん』では、『つぶあん』は小豆の皮が残って、誤嚥する原因になります。硬さとしては、『羊羹』では、“硬いもの”になります。
羊羹ではなくて『水ようかん』だと、舌で簡単につぶせるので、安全になります。『こしあんのまんじゅう』になると、あんこは良くても、“まんじゅうの皮”が喉に張り付く危険性があります。
『大福もち』は、皆さん、ご存じの通り、“もち”の部分がたいへん危険です。
“あんこ味の和菓子を選ぶ”だけでも、とても悩んでしっかり確認しながら選んでいます。
また、洋風のお菓子で、食べやすいので『プリン』を選ぶことが多いのですが、注意がいるのが、“いちご”です。
飾りとして、とってもかわいいんですが、そのまま口に入れてしまうと喉が詰まってしまうかもしれません。
噛む力が弱い人にとって、意外と丸ごとのイチゴを噛むことは、結構な力が必要なのです。
そこで、登場するのが、当施設の管理栄養士です。
意外と、ゼリーも注意が必要なお菓子です。ゼリーはあまり噛まずに飲み込みやすいものですが、カットされた果物が入っていると、
その果物を丸ごとツルっと飲み込んで詰まってしまう危険があります。寒天を使った固いゼリーは、口の中でバラバラになって飲み込みにくくなり、これも注意が必要です。
ムースの部分とゼリーの部分が二層になっていたり、中にスライスアーモンドがちりばめてあったりするため、実物をきちんと確認して、口の中に張り付かないか、
舌でつぶれる固さか、飲み込みやすいか、プロのSTの確認をとって、管理栄養士と協力して、と、何度も何度も確認を取りながら選んでいるのです。
歳を重ねると、今まで、ご自宅で気軽にどれでも食べていたおやつが、なかなか食べられなくなります。
でも、甘いおやつは「心のオアシス」です。行事の時のおやつは、入所者様はとても楽しみに、今度のおやつは、どんなんかな~っと心待ちにしてくださっています。
最近では、さらにステップアップして、おやつは、いくつかの種類をご用意しています。私達は、お店に行って、ショーケースなどを見て、
好きなお菓子を選んで買います。入所者様にも、同じように“ 好きなものを選ぶ ”楽しみも味わっていただけるように、どれにするか選んでいただけるように工夫しました。
選んでいる時、「これは何の味?」「どれにしようかな~。」「どっちも食べたいね。」などのお声を聞いたり、
食べている時のニッコニコの笑顔を見たりすると、とても嬉しいです。
皆で、安全に楽しもう!をモットーに、イベント委員会はがんばっています!